Sugar Scrapbook

Sugarの雑記帳

人間の証

お題「忘れられない映画やドラマのセリフ」

スティーヴン・ダルドリー監督の『めぐりあう時間たち』(原題:The Hours)

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この映画自体が大好きで、印象的な台詞もたくさんあるが、なかでもとりわけ好きな台詞がある。映画の終盤(「人間の証」と題されたチャプター)にニコール・キッドマン演じるヴァージニア・ウルフが夫に向かって言う、名演説のような長台詞。

この町では死にそう!/冷静に考えて言うわ/今の私は深い闇の底に沈み/一人でもがいている/でもその感覚は私だけにしか/わからないことよ/あなたは私の死を恐れているのね/その恐れは私も同じよ/私の権利/人間としての権利で選ばせて/平和で静かな田舎で息が詰まるより/都会の暴力的な刺激に身をさらしたい/

そして、最後はこう結ばれる。

どんなに慎ましい患者も/自分のことを決める権利がある/それが人間の証よ

死んだまま生きるか、生きて死ぬかを決める権利。人生のこの時点でヴァージニアは二度の自殺未遂を図っている。妻を愛し案ずる夫の気持ちは痛いほどわかる。それでも、私自身が精神を病んでいるせいか、ヴァージニアの言葉に深い共感を寄せずにはいられない。